則岡宏牟のちょっとおもしろい話し

牟三荘に音楽堂を作ります。

牟三荘の一般公開日に広場でアマチュアバンドの方達がライヴをしたいという申し出があり、良い事なので受けることにしました。

川向こう の畑にスペースがあり、古い材木やサッシ、トタン、内装材等リサイクルするの にちょうどいいものが沢山あるので、思い切って建築する事にしました。

ボランティ アはいつもの高校のときの同級生、近所の人達、音楽好きの新たな仲間の面々です。

まずは畑の草刈から、井戸の掘り込み、整地です。


橋の無い川の向こうに基礎するわけですから、コンクリ運びが大変、、、(-_-;)

仮枠 は、プロの人に手伝ってもらって何とか古い木、新しくても使い物にならない木等ごちゃ混ぜで、新しい木はプレカット工場で無料で加工してもらい何とか棟上。

トタンは解体現場からもらってきた物、ボランティア約30人役で下地まで完成。

トタン張りも屋根は本職に依頼。

壁は自分達で何とか。後はペンキを塗るまでに。

内装もお金をかけずに中古品のある物でまかないます。


外はほとんど出来上がり、ペンキも他所で余って廃棄処分される物を調達。

トタン を切るのはなかなか難しく、電動のこぎりの刃をつぶすつもりで大工さんが捨てる前の 刃を調達。

これはうまくいきました。

壁下地の油紙も、サイディング業者が捨てる物 を調達。

この頃何でもリサイクル法が出来て、産業廃棄することが義務付けられたの で、それらを貰ってあげる事がエコであり、処分代も助かるという我々には良いこと なのです。


屋根のペンキ塗りは、さすがに危険なのでプロの手を借りました。

内装に入るとかなり 外と違って楽です。

壁のプラスターは簡単に切れ、それを柱の間にはめ込むだけ。

電気 の配線はその下地に這わせて釘留めで楽ちん、、、。

壁の仕上げは、音の反響を考えて 綿壁を素人らしく厚い目にこて斑を出して、押し付け塗り。

天井の仕上げはせずに張り、 垂木はそのままの古木を化粧として、これで音響の効果も。

さらに壁の下の部分は細 かい材木で、音の吸収効果も計算。

舞台はもちろん古いフローリング。

設計時は古い農 家の牛小屋をイメージしたのです。


いよいよ完成です。柿落としは、和歌山在住の中国琵琶の奏者、宛蓉さん、篠笛の米国人奏者マットさん、桂一門の落語、エレキバンドのブルースター、ポップスのリトルキャッツの皆さんの公演があり立見席が出来るほどにぎわいました、建築費無料、入場料無料、出演料無料のすべてボランティアの皆さんでした

なおこのライブハウスは、「Teatro CONTADINI」 と名付けられました。

名付け親は、私の高校の友人の谷口維紹さんです。

彼は東京大学医学部の教授で、とっても偉いお方であります。

イタリア語で農民達の劇場という意味らしいです。


それからこのコンタディーニは、毎日新聞の社会面の トップ記事として取り上げられました。

(則岡 宏牟)